(1)学生による授業観察制度の試行的実施に関する研究 | [研究代表者] [共同研究者] |
---|
概要:中央教育審議会「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン(答申)」(2018年11月26日)は、学修者本位の教育への転換を謳い、とくに教育課程の編成にあたっては、「単に個々の教員が教えたい内容ではなく、学修者自らが学んで身に付けたことを社会に対し説明し納得が得られる体系的な内容となるよう構成」し、「個々の教員の教育手法や研究を中心にシステムを構築する教育からの脱却」を目指すよう求めている。ここでは、社会に対する説明等の要請が見られるが、学修者本位の教育を謳う以上、学修者である本学学生のニーズ、なかでも個々の学生がもっている自己の将来構想と関連づけられた、人間的な成長発達を助長する教育をいかに実践していくかが問われよう。
学修者本位の教育を実現するにはさまざまな手法が考えられるが、2021年度指定研究プロジェクトとして「学生による授業観察制度」について、先行事例の調査研究を進め、学生の視点に立った情報を教員に提供することの有用性を示した。その調査研究を引き継ぐかたちで、2022年度は、「学生による授業観察」を本学において試行することを目指した研究に取り組みたい。もっとも、(2022年度中に十分な検討ができるかどうか現段階では定かではないが、)2021年度に調査対象とした芝浦工業大学のSCOTを参考にしながらも、そのまま本学に導入するのではなく、本学における建学の精神や教育理念、3つのポリシーに合うような制度設計をイメージして、まずは試行的に授業観察を実施してみたい。この試みは、広く学生参画や学修支援のあり方をめぐる検討に資することが期待される。