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2012年度第1回文学部FD研究会開催報告

2012年07月30日

 2012年度のFD報告会として、7月4日に開催された「2012年度第1回文学部FD研究会」が全学に公開され、実施されました。当日は、教員31名、事務職員7名、大学院生4名の計42名が参加しました。
今日、大学では学士課程教育の質保証のために、教員と学生が意思疎通を図りつつ、学生同士が切磋琢磨して知的に成長していく課題解決型のアクティブ・ラーニングによって、学生の思考力や表現力を引き出していく双方向型の授業が求められています。日々、多くの教員はこうした授業改善に取り組んでいますが、大学における学修の本質は学生の主体的な学びにあり、この原点に立ち帰る時、授業改善と並行して学生の学修成果を把握するツールを開発することも必要となってきます。そこで、FD研究会において学生(大学院生)とそうした課題を共有し、龍大における、新しい「学び」のスタイルについて考える機会をもちました。

【杉岡孝紀 文学部FD委員会委員長のコメント】

 大学はこの十年間、文教政策や広く社会のニーズに応えるべく、実に様々な教育改善に取り組んできました。しかしながら、学生や企業からの大学への評価は未だ総じて低いと言わざるをえません。何故なのでしょうか。この点について、長谷川先生は過去十年間の高等教育をめぐる動向を辿りながら、これまで改善の名の下に行われてきた事柄が、教員主体の対処療法的なものに過ぎなかったことを指摘し、抜本的な改善のためには、大きく発想を転換して新たな学びのスタイルを構築することが重要であることを力説されました。私たち教員は、この学生主体の学びへの転換が必要であることは承知しているのですが、しかしその具体的な姿を描けないでいるというのが現状です。長谷川先生が提示された、大学四年間の学びを「単位を中心に考えるボトム・アップスタイル」(ピラミッド型)から「学びのエヴィデンスをアウトカムするトップ・ダウンスタイル」(逆ピラミッド型)へという転換は、大変興味深く示唆に富んだ内容で、参加した教職員、そして大学院生にとって大変有意義なFD研究会となりました。当日は教授会終了後の開催ということもあり、十分な質疑応答の時間を設けることが出来ませんでしたが、このテーマは文学部の将来を左右する重要な課題でもあるので継続して考えていきたいと思います。