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第3回文学部FD研究会開催報告

2012年03月12日

 2011年度第12回FD報告会は、2月29日に文学部において開催された「2011年度第3回文学部FD研究会」を全学に公開する形で実施されました。土持 ゲーリー 法一 氏(帝京大学高等教育開発センター長)を報告者として迎え、当日は、教員37名、事務職員3名の計40名が参加しました。
 文学部では、従来から「卒業論文」を学修の集大成として必修化し、卒業時に学生に保証する能力を測定してきました。また、今年度からは龍谷GP「ラーニング・アウトカムを具現する「卒業論文」の質保証」をスタートさせたところです。そこで今回は、「学生が学びを実感できる教育体制の構築について」というテーマをもとに、アクティブ・ラーニングについて議論を深め、特に1、2年次における系統的な学びの構築の可能性について探りました。
 今回のFD報告会での内容を活かして、龍谷GP事業を推進していきたいと思います。

【杉岡孝紀 文学部FD活動推進委員会委員長のコメント】

 学生の学習意欲を喚起して主体的かつ能動的な学びを促進させるために、教員は何をすればよいのでしょうか。学生の気質や多様化した学力を考えると、教員は従来型の講義形式の一方的な授業の中に、学生との双方向的な授業を開発し導入すべきだと考えられます。しかしながら、その具体的な授業改善のモデルとなるべきものが不明瞭であるために、各教員が手探り状態で授業の工夫をしているのが現状です。今回、土持ゲーリー法一先生には、FDによる授業改善の専門家ファカルティ・ディベロパーとして、ご自身が国の内外で学び実践されてきたアクティブ・ラーニングの開発の中で、最新の取り組みの幾つかをご教示いただきました。例えば、ルーブリックとラーニング・ポートフォリオによる省察的実践が授業においてどれほど有効であるかという点は、文学部における龍谷GP「ラーニング・アウトカムを具現する「卒業論文」の質保証―継続的なアカデミック・リテラシー教育の再構築―」を進める上で大変示唆に富んだ内容でした。また、クリッカーを利用したオーディエンス・レスポンス・システムを使った授業や、スクラッチ・クイズを取り入れた授業、さらには学生自身に定期試験を作成させる授業など、実にユニークで画期的な学生参加型の授業方法について知ることができました。時間の都合で、質疑応答の時間を十分に取ることはできませんでしたが、スクラッチ・クイズについてはワークショップの時間を作っていただき、それこそ参加者全員が最後まで興味深く拝聴することができました。学生主体型・参加型の授業では、教員は時にはファシリテーターの役に徹して、学生同士の討議を促すべきであり、その意味で「教員は何をするべきか」ではなく、「何をすべきではないか」ということも講演から学ぶことができたように思います。非常に有意義なFD研究会でした。