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2010年度第3回「FD報告会」では、7月23日に開催された「2010年度短期大学部FD報告会」を全学に公開し、実施しました。当日は教員11名(アドバイザリーボード1名含む)、事務職員2名の計13名が参加しました。
「社会福祉実習における事前事後指導について-利用者理解とその需要の把握および支援計画の作成-」というテーマで、短期大学部のFD報告会が開催されました。
短期大学部では、社会福祉士受験基礎資格の取得のためのカリキュラムが整備されていますが、国の定める社会福祉士養成のカリキュラムが改定され、2009年度入学生より、社会福祉士養成の新カリキュラムに沿った教育を展開することが必要になりました。
社会福祉士養成の新カリキュラムでは、社会福祉士資格取得をめざす学生は実習において「利用者理解とその需要の把握及び支援計画の作成」について指導を受けるものと定められています。このことをうけて、「利用者理解とその需要の把握及び支援計画の作成」についての指導のあり方を検討するためのプロジェクト・チームを、短期大学部FD委員会のもとに発足させ、「利用者理解とその需要の把握及び支援計画の作成」能力習得のための教育プログラムの開発、実習生が実習中に使用する書類の様式の作成などを行ってきました。
本FD研修会では、本プロジェクト・チームでの活動の成果が報告され、参加者と共有するとともに、今後に向けた改善点などについて活発に討議が行われました。
今回のFD報告会では、短期大学部FD委員会のもとに発足させたプロジェクト・チームによるFD活動の成果が報告されました。
本FD活動の特長として、複数の教員がそれぞれの強みを活かしながら共同で教育プログラムの開発を行ったこと、そのことにより担当する全教員が共通の認識を持ちながら開発した教育プログラムを実施することができるようになったこと、開発した教育プログラムに講義だけでなく演習を取り入れるとともに、演習の中で使用する視聴覚教材やワークシートを開発するなど、単なる知識の習得ではなく、実践的な能力の向上をめざしたことなどを挙げることができます。
今回のFD報告会での討議の内容も踏まえ、開発した教育プログラムのさらなる改善を今後も継続して図っていきたいと考えています。
報告対象になった実習科目「社会福祉実習」は同一名称で複数のクラスが開講される科目。教育内容の統一,レベルの平準化など複数教員のコミュニケーションが不可欠の科目であるが、その必要性と問題点などを具体的に報告され、他の講義にも応用できる有用な報告であった。講義内容において、社会福祉は対象となる要介護者ごとに対応方法が異なり、一般性あるいは普遍性で講義することが困難な分野である。その講義において、「対象者を全人格として受けとめる」、「正解がある問題を解こうとしているのではないと理解することから社会福祉は始まる」など本質的な視点を的確に指導しておられるように感じられた。FD報告会に参加した人数は少なかったものの、建設的な議論が進み意義深いものであった。
社会福祉士養成といった資格取得のためのさまざまな制約があるにも関わらず、受験対策だけではない大学教育としての本質である人間形成を見失わない姿勢は素晴らしいと感じた。これは貴重なことで短期大学部として誇りを持っていただけることと思う。
より多くの方々にFD報告会に参加していただけるよう働きかけることが必要である。他の講義を知ることはとても貴重であり,今回のように建設的な議論ができる雰囲気が大切である。