第5回公開授業の開催報告

 2010年度第3回公開授業では、理工学部の樋口三郎先生の担当する「現象の数学B」を全学に公開いただき、実施しました。当日は教員1名、事務職員1名の計2名が参加しました。

樋口三郎(理工学部)のコメント

 ご協力・ご参加された受講生・職員・教員のみなさまありがとうございました。「現象の数学B」(http://www.a.math.ryukoku.ac.jp/~hig/course
/mathphb_2010
)は、数理情報学科3年次の講義科目で登録74名です。TA・教育補助員はいないので, 教員1名でもできることとして (1)Quizを解き教員が添削 (2)問題に(クリッカーの代用の) 携帯電話で回答し(情報メディアセンターのサービスを利用)、回答分布を見て議論 (3)時間外にeラーニングシステムで予習復習し、教員は正解率を見て説明を修正などで双方向性をとりいれています。
担当者は2006年にも公開授業をしました。当時は全学で学期に1回の一大イベントで、大学教育開発センター長が瀬田に来られるほどでした。今回は教務課のご担当で粛々と行われ、公開授業が日常になったと感じます。今後は公開してその授業、他の授業が改善されたかが問題になるのでしょう。
ふだんの姿をと言いながら、準備に時間をかけてしまう自分を発見しました。受講生は「毎回そのくらい準備しろよ」と思ったでしょう。また、教職志望者も多い授業ですが、卒業して試験がなくなっても授業参観があることに気づいてブルーになった人もいたようでした。意見を言ってもらえる機会は貴重なんですよ!


藤原学理工学部教務主任のコメント

 12月17日(火)の3講時に、数理情報学科固有科目である「現象の数学B」(担当:樋口先生)の公開授業が行われた。この授業では、振動と波動や電波(電磁波)などに関係する、物理学の分野において重要な波動方程式の解き方や性質を学ぶ。到達目標は、N自由度の連成振動の運動方程式(N変数2階常微分方程式)、波動方程式(双曲型2階偏微分方程式)が導け、解けることである。樋口先生は、以前より授業に多くの工夫を取り入れられており、学生とのコミュニケーションにPC/携帯電話などを多用されている。ご本人のホームページには、授業サポートが予め用意されており、そこでは授業のよくある質問、昨年度と今年度に行われた授業内容と配布資料、プチテストの問題と略解が整えられている。さらに、これまでの試験問題もパスワードがあれば閲覧できるようになっている。このようなことにはある程度の専門的な知識と技術が必要であるので教員として誰もができることではないが、教育にかけられている熱意のようなものが強く伝わってくる。今回の公開授業もそれを反映したすばらしいものであった。続いて4講時に開催された講評会では、公開された授業の背景や準備状況、特に工夫されたことなどについて詳しく説明をいただいた。また、授業中で使用されている携帯電話と来年度に導入が検討されているチェッカーとの違いなどについても意見交換を行うことができ、非常に有意義であった。